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インパルス応答分析が初めて方を対象にしています。
参考
SAで表示されるスペクトルはどのような設定(窓関数、FFTサイズ、オーバーラップの割合)で計算されるのですか?
モニタースピーカーの測定方法について、3チャンネルモニタースピーカーシステムについて、リスニングポジションを基準にして、各スピーカーの前後の位置を㎜単位で厳密に合わせるための測定方法を教えてください。
インパルス応答分析の概要
室内音響パラメータの計算(SA)
RAで取り込まれたインパルス応答は保存され、SA(サウンドアナライザ)よる解析が可能です。SAでは、1/1または1/3オクターブバンド毎の音圧レベル、残響時間、初期反射音の到達時間、IACC等の音響パラメータ、音場の周波数応答特性、音声明瞭度の指標であるSTIを簡単に解析することができます。
部屋の音響特性はパソコンのサウンドボードや、楽器やスピーカーの特性のようにピンクノイズと、FFT分析つまり1/3オクターブバンド分析や、パワースペクトラム分析といった周波数の面だけでは、調べることができません。
というのは、それらの空間は、音楽がその空間の中を伝わる段階で、直接音や、側壁からの反射音が 遅れて伝わり、それにすぐ後の直接音が加わったりして、それらが混合して複雑な響きを作っています。そのため楽器でも、スピーカーでも置く部屋によって、聴こえる音色が違ってきます。その ため部屋の音響特性はインパルス応答で測定します。
音の到来。
1.具体的にコンサートホールなどの音響信号は、コンサートホールなどのステージの楽器からまず直接音がやってきます。これは一直線で巣から最短距離です。次にやってくるのは1回反反射の音です。1回反射の音は直接音に少し遅れて、横の壁からやってきます。これは横の壁からやってくる最初の反射音が一番重要であるということです。現実には、ゆかあたりから来る反射音や、いすに反射する反射音が、早くても、横の壁を初期反射音とします。
2.また次々と、横や、後ろから音がやってきます。またそれらの後部残響音が着てる間に、次の直接音が、やってきますので、時間的な合成の問題がでてきます。つまり、直接音は常に少し前の反射音に、いろいろたされて、今の音全体になります。そのように、たしこみを次々と行うことを、たたみこむといいます。このように音楽信号が畳み込まれているために。音響空間では、その音場を今までとは違う尺度 (初期反射音の到着時間、残響時間など)で表します。 もちろん周波数特性もあります。
音楽をスピーカーから流した場合、室内でスピーカーや、聞く位置を変えなければ、音は反射の計算上はいつもまったく同じ道を通るはずです。しかし音の周波数や、音の強さが違えば そうはならないのです。
音から見た室形は、それぞれ違うのです。音響信号の波長 が変化すると、室形が変わり、音響特性が違います。そのため音響特性は周波数ごとに分析します。DSSF3はオクターブ分析、1/3オクターブ分析のどちらも分析できます。
その ためインパルス応答測定後の分析(SA)では、オクターブごとにインパルス応答の分析を行うのか、1/3オクターブ分析で、行うのか選択して計算させます。
インパルス応答の利用分野
1. 部屋の音響特性を測定するには、着座点にマイクをおいて測定することです。
測定方法
1. クラッシックコンサートホールの座席、オーデイオリスニングルームのシート、カーステレオドライバーシートの音響特性を精密に調べるときにはインパルス応答測定を行います。
RA(リアルタイムアナライザー)でスピーカーはひとつでマイクは2chでインパルス応答を求めてデータベースに保存し、SA(サウンドアナライザー)で、そのデータに計算条件を与えて、計算分析させます。
その尺度とは、シートの音響特性は、もうフラットとかいう感覚では、ない時間の入った概念ですから、直接音の強さ(減衰度)、初期反射音の到着時間(遅れ時間)、残響時間(ある一定量-60dBに音が減衰するのに要する時間)、またIACCのように両耳の相互相関関数からの音響パラメーターがあります。
また、その他現在建築音響で、用いられている、音響パラメータを計算する機能がありますので、この方法で、コンサートホールなどの音響特性を測定することができます。
音響測定入門では、オデイオの測定で、リスニングルームの測定をスピーカーはひとつで、マイクは2chで、インパルス応答測定を行っています。これは簡易に、部屋の初期反射音や、残響時間を求める方法です。
2.オーデイオ、カーオーデイオなどのステレオ再生では、各種、クロスオーバーネットワークや、アンプなどの調整は、位相計や、ピンクノイズ1/3オクターブ分析でリアルタイムに行います。また、スイープ信号などで、耳で聞きながら診断を行います。そして、ステレオのスピーカーを設置して、座席においた、2chマイクで、TSP信号を用いて、スピーカーも2本使用した、ステレオのインパルス応答測定を行います。このとき。インパルス応答で、求められた、τIACCや、IACCの値や明瞭度などのデータは、リスニングルームと、スピーカーの置き方、向きなどの影響を測定分析できます。
τIACCがゼロは、タイムアライメントの狂いがないことを意味します。IACCが最大を求めるのは、両耳の信号差を最大にするためです。
明瞭度や、。残響時間なども重要です。
3.電気音響などでは。
インパルス応答の測定の前に、電気音響のすべての機器が、歪などが正常の範囲に入った、正常な状態であることを確認して、その後、マイク入力の換わりに、TSP信号を信号出力します。もちろんすべてのスピーカーから、本来の使用と同じ方法で、スピーカー出力します。そして、客席や、聴取点をひとつづつ、2chのマイクで、測定していきます。 やはり、残響時間、初期反射音の到着時間、IACC、タイムアライメントや、明瞭度など、同様に重要です。
ランニングACF分析の概要
SAでのランニングACF分析は、リアルタイムなFFTアナライザーでは、解析できないような、高時間解像度なFFT分析(パワースペクトラム)や、自己相関分析のため、RA ではデータの取り込みを行います。SAでは計算条件をあたえることにより音圧レベルの時間的変化や、waveファイルの振幅や、音圧レベルの時間的変化、またACFのピークや、IACFの音響パラメーターなどを計算グラフ表示できます。またそれらの分析結果は、CSVファイルなどで、データ記録、他システムへ出力できます。
SAのランニングACF分析がRAのFFTアナライザーを使用しての測定、記録、表示と決定的に違う点は、バッチ処理である点を活用して、音の瞬間や長い時間の平均だけではなく、 音の時間的変化を、好きな時定数を積分時間として設定することにより、膨大な計算をどれだけでも時間をかけて、高い分解能で、膨大なデータ量として出力でき、それらを非常に見やすいグラフ画面で、見たい部分の波形を選んで、移動して、音響パラメーターのデジタル数値データと共に、自由に拡大、縮小して、効率よく確認分析できる点です。また、自己相関、相互相関関数からの、時間関係の音響パラメータは、音源特有の音質面の特徴やその時間変化、音源が持つ空間情報、運動情報などのさまざまな分析を可能にします。
詳しい説明(ややこしければ読み飛ばしてください。)
ランニングACF分析は、RAとSAで分担して、分析 します。そのためリアルタイムアナライザーではできないような高時間分解能な分析や、非常に長い時間の時定数にも対応でいます。もちろん測定時間や時定数、や、計算ピッチなどを自由に設定 し測定分析が可能です。これは低周波から高周波までを、それぞれに合わせた測定条件で測定分析できることを意味します。リアルタイムなFFT分析では不可能な、音響データの音圧レベルを非常に精密な1msec単位に分析 したり、5秒の積分時間を設定して、5秒間の長い時間の平均を測定したり、特別な低い周波数成分を分析することが可能です。
このように、ランニングACFは精密なFFT分析として使用することができます。それも音圧レベルの時間的変化、つまり響きを扱えるため、コンサートホール音響や、オーデイオ測定、カーオーデイオの測定にも、有効です。
また、音圧レベルなどの時間変化が、指定の設定時間の平均としてデジタル数値化され、記録されます。
ACF分析は従来のFFT分析に時間という概念を加えたものです。そのため音響信号の時間的変化といったものが分析できます。時間という次元が加わったメリットは大で、、音響信号の違いを 多次元に数値化して、記録、表示可能です。
ランニングACF測定の利用分野
また、ピアノや、バイオリンの音の分析チューニングや、自動車の排気音や、飛行機の騒音や、音声など、従来の、パワースペクトラムや、1/3オクターブ分析、3次元表示 以上の測定分析を可能にしています。
また、映画館の音質の改善や、コンサートホールの音響特性も測定できます。つまり、ランニングACF測定は、実際の上演の音をマイクで拾えば、分析可能です。
音をマイクで拾えば、分析可能という分析方法は、人間が耳で聞いて分析するという方法と同じです。
もともとランニングACF測定は人間の脳 (聴覚)の処理方式と同じといわれています。(大脳聴覚理論 神戸大学、名誉教授 安藤四一 )
そのためこれは、音響分析のみならず、聴覚や視覚や神経などの信号をを、測定研究するのにも向いています。
(参考) 自己相関、相互相関
ACF (Auto-Correlation Function:自己相関関数)、CCF (Cross-Correlation Function:相互相関関数)は、 音響信号を周波数領域だけではなく、それに時間領域も加えて解析する方法です。
相互相関関数は、2つの時系列信号がどれだけ似ているかを調べるための方法で、信号の時間遅れτの関数として、 時間とともに変化する類似度を表します。相互相関が最大となる時間遅れを調べることによって、 雑音に埋もれた信号の検出や信号の伝播径路の推定が可能になります。
相互相関関数の中でも特に、時間τだけ遅れた信号と元の信号との相関を表すものを自己相関関数と呼びます。 信号が周期的な成分を持っている場合、τがその周期と一致しているところで相関が高くなるという 信号解析上非常に有効な性質を持っています。
豊富な測定事例が音響測定入門で紹介されています。ACF測定については特にランニングACFと書かれた項目をご覧下さい。
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