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RAを使用したパソコン測定試験4
マイク端子を使用した測定

 

前回、最後に測定した、DELLのInspiron8200はラインインの端子はあるのですが、Crystal WDMドライバーの録音側で、ラインインが選択できませんでした。これはマイク端子を使用するラップトップパソコンのわけですが、Inspiron8500をはじめ最近のDELLのノートはマイク端子とヘッドフォン端子が標準のようです。

なぜラインインがないのか? それを調べるためにマイク端子を使用して測定を行ってみました。テスト方法は「オーデイオ測定レポート7」と同様です。

スイープを使用して、リスニングポイントの周波数特性と、全高調波歪み率のテストを行います。

 
計測日 2002年07月15日
スピーカー Omni-directional speaker, KENWOOD OMNI 5
マイク SONY ECM999
マイクアンプ DAT TASCAM DA-P1
ノートパソコン DELL INSPIRON 8200
OS: Windows XP Professional
測定分析ソフト DSSF3

Windowsのボリュームコントロール「再生」の設定です。

同じく「録音」の設定です。

SONY ECM999を騒音計とC特性で、感度だけ合わせておきます。測定に使用するスピーカーがあまり大きな音が出せないので、マイク端子に直接ECM999をつないで、できるだけボリュームを開きます。

「DSSF3 バージョン5」の画面です。マイクアンプ無しだと-70dBになります。これならば、ジェット機の騒音も歪まずに計測できそうです。ただし、スピーカーなどの室内計測の場合、最大音量にしても-40dBくらいまでしか上がらないようです。通常のVAIOのマイク端子(-40dBくらいからスタートする)と違い、ラインインに近いマイク端子です。

TS005 今回の測定は、スピーカーの周波数や歪み率の測定ですから、騒音計はC特性、1/3オクターブバンドアナライザーはFLAT特性です。暗騒音の1/3オクターブ分析はECM999マイクをダイレクトにInspiron8200に接続しています。

シグナルジェネレーターを使用してピンクノイズを発生させます。INSPIRON8200のヘッドフォン出力を使用して接続されたOMNI5スピーカーから出力します。

FFT分析で1/3オクターブ分析を行ってみました。

SG(シグナルジェネレーター)正弦波のスイープの設定です。ゆっくりとスイープさせ、受音点での周波数特性のグラフを、パワースペクトラムのマックスホールドで描かせるつもりです。

下が暗騒音、上がスピーカーのY軸が音圧レベル、X軸が周波数のグラフです。70dBです。スピーカーを壊さないように音量を上げすぎないように注意しています。

全高調波歪み率の測定です。表示ははY軸歪み率、X軸周波数です。全高調波歪みの測定は歪みを数値で知ることができます。

音圧レベルと全高調波歪み率のグラフです。

歪み率などの性能を測るときは、入力が-40dB最大よりはもっと入ったほうが有利なので、TASCAMのDATをマイクアンプとしてマイクと、Inspironn8200のマイク端子の間に入れてみることにしました。入力レベルが少ない時の性能と割り切れば、入力レベルを増やす必要はありませんが。それでも小さな音を測定する場合は、マイクアンプなどで増幅することも必要です。

TASCAMのDATの増幅率は20~30dBほどで、入力レベルが上がるとピークレベルメーターが-10dBくらいまで振れるようになったので違和感がなくなりました。

THDをやってみました。

これを見ていると、ECM999のようにダイナミックレンジの広いマイクを使用するとき、特に小さな音を測定するときは、マイクアンプがあったほうがいいです。大きな音はマイクアンプなしでも録音できます。

1/3オクターブ分析も行ってみました。

スイープしてパワースペクトラムもとってみました。

DELL Inspiron7500は、ラインインはあってもマイク端子は性能的に使えませんでした。8200はマイク端子といっても性能が悪くはないですし、総合的に使い勝手もよさそうなので、マイクアンプが無い場合やポータブル運用時は、マイク端子を使用した測定で十分でしょう。

July 2003 by Masatsugu Sakurai


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