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海岸に打ち寄せる波の音は心地よい音です。少し疲れるのが、電車、バス、乗用車の車内、ビル内の空調の音などでしょうか。そして騒音として苦情の対象となるのが、ジェット機、機械、道路、橋、鉄道、ダムの水流、ダイナマイト、演習場における大砲の着弾音などです。意外なことに高層ビル内では微風でも超低周波音が90dBあります。
音声や音楽はどちらも低周波音に妨げられるわけではありません。コミュニケーションは最も感度のよい1.5~5kHzを使用しています。音楽には20~20kHzを使用しています。しかし超低周波音はさらにそれより低い周波数成分で、さわやかなものもある反面、悪い超低周波音は精神障害などの生理的な影響を与えるという環境騒音問題を引き起こしています。
air8.wav(44.1kHz / Stereo / 15sec / 2.52MB)
計算条件設定画面。周波数数Hzを1秒の時間窓で、0.1秒の時間刻みで、0.5秒の遅れ時間までを処理するランニングACF分析を行ってみました。比較参考用に3.6秒以前のパワースペクトラムです。100Hzからなだらかに下降したスペクトラム表示です。
3.6秒周辺のパワースペクトラム表示です。1.5kHzと、740Hz、300Hz、230Hz、110Hzの成分にピークがあります。20Hz近辺の超低周波音は20dB増加しています。またこのグラフから考えるとそれ以下のスペクトラムも明らかに存在しているようなグラフになっています。
測定後3.6秒です。ホワイトノイズのように全周波数を出しています。それも騒音計で97dBAでした。
8倍にズームしてみました。キザギザです。
16倍にズームしてみました。ノコギリ状の波形が見られます。
パワースペクトラムで測定された1.5kHzと230Hzが合成された自己相関関数の波形を作っています。理論的には納得できるのですが珍しい波形です。前のパワースペクトラムによると、おそらく、20Hzやそれ以下の超低周波音も合成されています。500msecから1秒自己相関が減衰しない波形を作っています。
τ1の時間変化です。経過時間3.6秒は600~2kHzの強いピッチ成分のところです。
低周波に2kHzのノコギリ波形が見られます。「エアコン運転音の測定2」のときのSONY VAIOの5kHz発振と似ていますが、こちらは発振ではありません。ジェットエンジンがノズルから吐き出した空気の乱れが、大きくなって後方で低周波の音源を作ったからです。
τ1のグラフの拡大図です。3.6秒の時点は超低周波成分が多いときです。エンジン出力を上げています。代表周波数が上昇した(τ1は下がる)のちに下げる瞬間です。エンジンのスロットルを緩めた瞬間のようです。
3秒の時点でφ1の値が0.3から0.05にいったん下がり、3.6秒でまた一定に戻っています。
9秒のところがWIACCのピークです。WIACCが大きな値のときはは超低周波音が多いときです。このグラフの分析からはジェット機が過ぎた後でもその状態がしばらく続くことがわかります。
同じ3.6秒の低周波成分のつよいところを人間の耳のA特性で調べました。耳に対して敏感な高域成分のピッチが強調されるためか、FLATに比べてもかなり刺激的と考えられる自己相関のグラフが分析出力されています。
November 2002 by Masatsugu Sakurai