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低周波が物体を動かすことにより、そこから音や振動が発生し、不快感の元になります。空調装置としては空気吹き出し口の吹出流速が高いと、吹出口の下流で低周波音が発生するため、部屋が静かな場合には、少ない送風量で、運用することが重要です。
故障や損傷、緩み、共振などの異音を調べて、正しくメンテナンスをすることが重要です。そのためにエアコンの動作音を測定して、異常がないかどうかを調べます。
無信号時のVAIO (SONY PCG-R505R/DK)の発振
5kHz、10kHz、20kHzに発振しています。問題がありますが、あえてこのまま進めます。
エアコン使用時の1/3オクターブ分析(FLAT)
1番左側にALLという、騒音表示が58dBAを表示しています、これは分析のために、過小入力にならないように録音レベルを15.5dBAあげていますので、前回のように換算の-15。5dBAをひくと騒音計42.5dBAです。
同パワ-スペクトラム(FLAT)
370HZの周波数があります。低い周波数についてはエアコンオフのときの暗騒音と比較しても異常はありません。
強風冷房時で42.2dBA(A特性)を示しています。今回は、分析41dBAで行いました。
エアコン冷房時の1/3オクターブ分析(A特性)
同パワ-スペクトラム(A特性)
聴覚上のエアコンの動作音の音の高さは370HZです。
ランニングACF測定
上記のランニングACF測定ウィンドウの右上にある「読込」(LOAD) ボタンを押して、aircon2.wav ファイルを読み込めば、同様の分析を行なうことができます。
ランニングACF分析画面
ランニングACF計算条件設定
ランニングACF 分析結果(A特性)~VAIOのサウンド回路使用
左下の自己相関グラフに妙なヒゲが出てるため、5kHz成分の発振がわかります。
原因を調べてみると、無信号時からバイオが発振(5kHz、10kHz、20kHz)していました。やはり3次元時間表示はわかりやすいです。今回はこのチェックを外したために最後まで気づきませんでした。音響測定システムを使うと、従来の騒音計でわからなかったこのような思いがけない発振が発見できます。
音量の変化、τe響きの音質成分、τ1、φ1などの自己相関、時間変化についても、エアコンの動作音としては安定しているようです。分析結果に異常は見られません。今回が本システムを用いたエアコン運転音の初めての測定です。さらにデータをとって今回のデータと比較すれば貴重なデータの集積となるでしょう。定期診断的な測定は、冷蔵庫、洗濯機、工作機械、乗り物などにも幅広く応用することができます。
August 2002 by M.Sakurai