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パソコンのラインインとラインアウトをステレオミニミニケーブルで接続します。パソコンのサウンド性能すなわち、自分で出した信号を自分で入力してみて、どれだけ歪んだかを測定することによって、入出力の総合の歪み率を計測できます。
高調波歪み率の測定は高調波を基本波と比較します。各高調波が基本波より何dB低いかを知れば、高調波を加えて総和を基本波と比較したときの差がパーセントで表されます。
-20dBの信号は、基本波の10%
-40dBの信号は、基本波の1%
-60dBの信号は、基本波の0.1%
-80dBの信号は、基本波の0.01%
-100dBの信号は、基本波の0.001%
これがdBと歪み率のパーセントの関係です。
RAの入力選択でインプットデバイスにラインインを選択します。
THDは自ら正弦波信号を作り出し、それをD/Aコンバーターでアナログ波形に変換し、それをDAコンバーター付属のアナログアンプでミキサーに出力します。その信号をミキサーから、ハードやソフトのサウンドボリュームを経てヘッドフォンアンプからラインアウト端子を経てケーブル出力し、入出力がつながった1本のケーブルでそのままラインインから戻して、入力ボリュームやADコンバーター付属のアナログアンプやADコンバーターを経由してTHDにて入力された信号を分析することになります。前回の測定はミキサーの部分で測定しました。
周波数・全高調波歪み率のグラフです。前回のミキサーの時の値、10kHzの-96dBは-82dB、1kHzの-72dBは-70dB、200Hzの-69dBは-62dBに下がっています。今回増えた回路はヘッドフォン出力のところのアンプとボリュームとラインインの端子の部分です。その部分で歪みが増えたことになります。
出力レベル・全高調波歪み率のグラフです。同様に、多いところでは10dBも歪みが増えています。ただ、-10dBから0dBのかけての歪みがこちらはなくなっています。
違いはラインアウト(ヘッドフォン出力)を使用してるために、内蔵スピーカーのアンプの回路が動いてない点です。内蔵スピーカーでモニターしながら、歪み率測定をすると、前回の測定結果と同じですが、ヘッドフォンを使ってモニターすると歪みが-5dBから0dBの範囲に減りました。ここから判断すると、INSPIRON7500の内蔵スピーカーで、モニターしながら歪み率を測るときに、0dBつまりマックスパワーを入れていくと、-12dBあたりからミキサーにまで致命的に大きな歪みが入ってくるようです。
このパソコンの場合は大きな出力を出すときはパソコンはできるだけ無音で使うか、ヘッドフォンでモニターということです。もっともインパルス応答測定時には、ヘッドフォン出力からテスト信号出力していますので、こういう問題は起こらなかったわけです。
パソコンのラインインと、ラインアウトをステレオミニミニケーブルで接続した計測を続けます。
前回のもう一台のINSPIRON7500のパソコンのラインインとラインアウトをステレオミニミニケーブルで接続した場合の周波数・全高調波歪み率のグラフです。
同じく前回のもう一台のほうのINSPIRON7500のパソコンのラインインとラインアウトをステレオミニミニケーブルで接続した場合の出力レベル・全高調波歪み率のグラフです。
このマシンのミキサー入力で、スピーカーのモニター時の出力レベル・全高調波歪み率のグラフは前回とまったく同じです。表示範囲などは今回のほかのと同じにしてあります。
同じくこのマシンのミキサー入力で、ヘッドフォン使用時の出力レベル・全高調波歪み率のグラフです。改善のパターンは少し違いますが-20dBあたりから-8dBの出力レベルのところにかけて多いところで歪み率が20dBも改善されています。
VAIOはラインインがないので、このようなテストはできません。マイク入力にラインアウトを入れることはできません。そのため、VAIOは外部のサウンドカードを使用しないとTHD測定はできません。
次はDELLのINSPIRON8200です。
INSPIRON8200は今回参加です。このマシンはサウンドドライバーのCrystal WDM Audioが今までのINSPIRON7500等の ESS Maestro と指定方法が異なり、録音のLINE INが指定できずにステレオミキサーを指定するため、少し勝手が違います。入力がラインインとミキサーを指定して手動で切り替えられません。
通常の-19dBの出力で測定してみました。スピーカーからモニターしています。
性能にゆとりがありそうなので-9dBに出力を上げました。上げただけ歪み率が下がりました。
出力レベルと歪み率の測定を行ってみました。
スピーカーの音を使用せずに、ヘッドフォンに切り替えたいので、ヘッドフォンとラインインをケーブルで直結してみました。
一応測定できました。
出力レベルと歪み率の測定結果です。
July 2003 by Masatsugu Sakurai