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諸君がYOSHIMASAの未来を創る

ソフトウェアエンジニアの社会的地位の向上と真のソフトウェアハウスを目指すこと。それがYOSHIMASAの基本理念であり、社会にとってコンピュータはどうあるべきか。その追求が、ソフトウェアエンジニアリングの王道であると考えている。

ソフトウェアが事業部編成になって以来、その関係の実務から離れてしまった。こんなに早く任せるようになるとはうれしいことだが、その結果、やることが変わった。メルセデスがあちこち回っていた頃が懐かしいし、諸君と顔を合わせる機会が減ってしまったのが残念だが、既に状況が変わってきている、
吉正の精鋭部隊の直接の指揮をとることはもはやない。しかし、以前の仕事が好きであったし、諸君と純粋ソフトウェア集団の既存のビジネスに対する闘いを望んでいたから、これは次元の違いではない。社長としてやらなければいけないことがあるからだ。
確かにソフトウェア会社としては確立された。ユーザコンサルテーションと専門特化によるソフトウェア開発体制は、信頼を裏切らない技術力と姿勢により、ソフトウェアエンジニアリングのひとつの理想を創り上げたから、その活動を続けていくことに問題はないが、ユーザとの間の信頼関係および技術の追求のためにも、問題はそのための最善を尽くしているかどうかである。
当社の基本理念としてのソフトウェアエンジニアの社会的地位の向上と真のソフトウェアハウスを目指すという点において、妥協のない最善を尽くしているかどうかである。ただソフトウェアに専業していればいということではなく、ソフトウェアにとっての最善を尽くさなければいけないのである。そのためにはソフトウェアエンジニアリングをソフトウェア開発とその利用という立場に分けて考える必要がある。コンピュータに何ができるか、そのソフトウェアの利用方法は、といったソフトウェアエンジニアリングを考えてみる必要があるのではないか。
ソフトウェアエンジニアリングにとって、ソフトウェア開発とはその全てであろうか、その一部なのか。それはハードウェア以外のものを指しているのか。大きくとらえれば、プログラムはその一部であり、真のソフトウェアハウスとしては、コンピュータ以前に「データ」が存在し、それが目的を持った時に「情報」となることからソフトウェアを考え直してみる必要がある。コンピュータに何ができ、何ができないのか。それ以前の社会のプロトコルからやらなければいけないことがある。
関連会社を設立し、ソフトウェア会社を中心とするグループ企業とし、種々の産業をコンピュータとソフトウェアエンジニアリングによってチューニングし、その産業ににおける発展を実現できれば、それがソフトウェアのためにもなると考える。ともあれ、エンドユーザの立場でソフトウェアを利用することにもなったのである。
その1つに「ユートピアン」があり、目下これは建設中である。株主を説得している。日本の大企業が株主に参加する予定であることは報告しておこう。この会社の役割は私企業を超えたものであるし、その力は順調にいくと恐ろしいもの―情報の支配―になるから慎重なのである。
その中で吉正は真のソフトウェアハウスとして、そのコーディネイトと、必要に応じて高品質なソフトウェアを提供していくわけだが、その役割は非常に重いし、色々な困難がある。進歩した科学とソフトウェアソフトウェアエンジニアリング、そして社会。「ユートピアン」は大きな構想である。将来、社会にとってコンピュータはどうあるべきかを考えて、そのためのものを創り上げていく計画である。それを説明して、参加してもらい、そのシステムを付け加えていくことがこのネットワークそのものの価値を高めることになるし、スケールが重要であるがために大企業の支援が必要なのだ。
この会社は電話器の代わりに端末をぶら下げた電話局、つまりコンピュータ局で、未来のNTTを指向している。MSXの実務アプリケーションとVANの開発で、順に指向が明確になっていくが、こういった一連の流れの中に何かの手応えを掴んでいることは間違いない。

代表取締役 櫻井正次


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