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聴診器マイクを使用して再測定
(心音測定5)

2004年7月22日 1 加筆開始

 心音の最初の測定は、最初 2002年の2月に行いました。当時は、心音を音楽としてみなして分析したものでした。しかしその後心音測定が心弁の閉じる音の分析に進んだため、心音測定1、心音測定2、心音測定3ともに2003年4月には、心弁の動作音の分析内容に書き直されています。心音測定4は最初から最初の音楽としての分析が総括してあったのでそれはそのままです。この心音測定5は、聴診器を使用した、出来るだけ雑音を減らして、入力レベルにも注意した心音の測定です。確実をきすために今度はRAのアナライザーなどで事前のチェックをしながら、直接ランニングACFのリアルタイム測定分析を行いました。RAは測定すれば、自動的にWAVEデータも記録され、測定結果のデータベースに測定対象のWAVEファイルと、リアルタイムナ測定結果を記録できるからです。そのWAVEファイルやデータベースを使用して、いろいろ分析条件を変更して、分析をおこなうことが出来ます。

2004年7月22日 1 加筆終了

聴診器マイクでもう一度測定してみました。マイクをガムテープで胸にしっかり貼り付けて、雑音が入らないように細心の注意を払い、息を止めてランニングACF測定で、測定状況をモニターしながら測定しました。これは「肺の聴診4」の測定と同時に行ないました。

 
計測日 2003年4月9日
計測場所 愛知県名古屋市
被験者 50歳男性
マイク SONY ECM-T150 Electric Condenser Microphone(寸法: 直径6mm / 長さ12mm)
マイクアンプ SONY DAT WALKMAN TCD-D100
パソコン DELL INSPIRON 7500
OS Windows 2000 Professional
測定分析ソフト DSSF3 バージョン5 英語版
その他 聴診器
接続図
WAVE ファイル heart5.wav (44.1kHz / Mono / 10sec / 862KB)

無信号時のピークレベルモニターです。

マイクをDATに接続し、すべての機器の電源を入れた状態で、無入力時の暗騒音です。聴診器につけてあるので、マイクの感度がよく、周囲の雑音を拾うようです。感度を悪くすると肺音がうまく拾えないので、このレベルで調整しています。実際には、-28~35dBくらいの数値です。

DATのライン出力をノートパソコンのライン入力につないで、その音を測定するわけですから、Windowsの「ボリュームコントロール」の出力を調整します。

同じく録音(入力)を調整します。

ランニングACF測定を行いました。

データを測定データベースに保存します。

WAVEファイルに出力しておきました。DSSF3からWAVEファイルに出力しました。44.1KHzサンプリングのモノラルデータです。Lch 出力です。

WAVEファイルを「ランニングACF」の画面で「読込(LOAD)」>「WAVEファイル」ボタンを押して読み込めば、この計測事例と同じことを行うことができます。WAVEファイルをご自分のパソコンにダウンロードするには、マウスの右ボタンでクリックして「対象をファイルに保存」を選び、適当な場所に保存してください。

SAでデータを読み込みました。

高時間解像度な分析のための計算条件です。

計算結果。音圧レベルの時間変化を表しています。測定時間は10秒です。

最初の1秒を時間軸でズームしています。より精密な分析も可能だと思いますが、今の段階ではこれにとどめます。

開始から測定開始後の1秒間の部分の音響パラメータのグラフ。ACFは最初のピーク0.18秒後のACFです。

10秒間の音響パラメーターのグラフ。ACFは最初のピーク0.255秒後のACFです。

 

2004年7月22日 2 加筆開始

2003年の分析と同じ計算条件です。

 

2003年の分析と同じ計算条件です。2003年では、聴診マイクをガムテープで、体に貼り付けて、雑音の無い、いい測定が出来たとして、そのリアルタイムな測定のwindowsのボリュームコントロールの録音、再生の設定を説明しています。

また、この測定データから心音のWAVEファイルをmasa09.wave というファイル名で作成する、部分の説明があります。そうしてできたmasa09.waveのファイルは、インターネットのダウンロードサーバーにおいてありますので、誰でも、インターネットエクスプローラーを使用して、ダウンロード出来ます。

また具体的にその方法が説明してあります。

またWAVEファイルを直接ファイルとして取り込んで、この分析を行えば、まったく同じ結果を、自分のパソコンで、得ることがでできます。

SAでの分析は、SAでのマルチコピーの機能をい使用して、全部のグラフをまとめて画像表示にここではとどめています。

確かに非常にうまく、心音が録音されています。

そこで今回加筆するのは、DSSF3の新機能を使用したWAVE表示の画像です。

ここでは測定入力されたWAVE信号のY軸に振幅の大きさをX軸の測定経過時間上に対応して表示しています。サンプリングレートが44100ですから、アナログからデジタルに変換された音響信号は1秒間に44100個作られます。そしてこの場合測定時間は10秒です。この表示には441000このX軸上にデータが存在します。ここではこのデジタルデータの振幅成分を計算グラフ表示しています。下のデータテーブルの4.245秒は測定開始後の経過時間を意味します。ここでは、下のデータテーブルで、時間の4.245秒のポイントがマウスでクリックされて指定されています。この時間が指定されていると、上の振幅の表示のグラフでは、対応する4.245秒から4.25秒の範囲が縦に赤線が描かれています。

この状態で、スペクトラム表示やACF表時、その他に切り替えてもこの区間が対象に表示されます。ここで、4.25秒が指定してあるのは、ここから続く4秒くらいのデータが特に最初の分析に向いているので、とりあえずここからと考えたからです。

 

y次に下の画像では、X軸方向を拡大機能で、8倍にズームしています。また次の約5.1秒の波形と、このⅠ音 Ⅱ音  また次のⅠ音の振幅表示のみがよく、分析できるように表示位置が調整してあります。表示位置調整はマウスをグラフの位置に持っていくと、ポインターが4方向表示に変わります。そうすれば、四方、八方、まったく自由にそのままドラッグして位置調整できます。このⅠ音の間隔から心拍数が求められます。5.105-4.242=0.863秒、60秒を0.863で割ると、69.5です。この場合この二つのⅠ音から計算した心拍数は69.5です。

 

次はX軸が16倍に拡大表示してあります。同時にY軸の表示も4倍に拡大して、これはⅠ音とⅡ音の組み合わせのみを最大限に解りやすく振幅表示してあります。Ⅰ音と、Ⅱ音の間隔は4測定開始後4.26秒の振幅最大と、同様にⅡ音も対応する4.556秒の振幅最大の間隔を計算すると、0.296秒です。同様に他のⅠ音に対しても同様な方法で求めることが出来ます。

またⅠ音の振幅がⅡ音より大きく、Ⅰ音、Ⅱ音ともにそれぞれ最大振幅のあとにもうひとつ時間をおいて、大きな振幅が存在するのが確認できます。

 

次はX軸が32倍に拡大表示してあります。同時にY軸の表示も4倍に拡大して、これはⅠ音のみを最大限に解りやすく振幅表示してあります。ここでは1音の巾は、開始を測定開始後4.2秒とし、終了を4.38秒とすれば、0.18秒がⅠ音の継続時間です。同様な方法でⅡ音も求められます。

 

次はX軸が64倍に拡大表示してあります。同時にY軸の表示も4倍に拡大して、これはⅠ音のなかの2つの大きな振幅を最大限に表示してあります。振幅は位相により、プラス、マイナスで、表示されています。DSSF3は通常、音響信号の到着時間を振幅最大時で求めています。つまり振幅最大時はエネルギー最大で、最大のエネルギーが到着した時間を重要としているからです。

しかし、見方を変更し、どう聞こえるかではなく、いつ音の原因が発生したかの場合は、音圧レベルの時間的変化が重要です。信号の到着の時間的変化のどこを重要とするかが、音質などで選択する必要があるからです。つまり、どの周波数の音がいつ到着するかは、振幅最大ではなく、音圧レベルの時間的変化Φ(0)で、分析します。

Φ(0)をもとめるには、DSSF3ではACF計算を行い、遅れ時間0の瞬間を求めています。

今回はここまでにします。

2004年7月22日 2 加筆終了

 

 

 

April 2003 by Masatsugu Sakurai