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第1回はF40からはじめます。
音源ファイル: car1.wav (44.1kHz / Stereo / 10sec / 1,723KB)
▼計測機材
パソコン:SONY VAIO PCG-R505R/DK
ビデオカメラ:SONY DCR-PC3-NTSC
ホワイトスターのビデオをもとに計測しました。 | |
エンツォ・フェラーリの遺作となった、F40を今回計測します。 | |
こういう感じで近づいてきます。 | |
計測はこのフレームの後からスタートします。8秒の計測です。 | |
測定時のF40エキゾーストノートのある瞬間のスペクトラム表示
測定時のF40エキゾーストノートのある瞬間の1/3オクターブおよびピークレベル表示
測定開始からほぼ終了までのF40エキゾーストノートのパワースペクトラムの3次元時間表示
測定時のF40エキゾーストノートのある瞬間の自己相関のリアルタイム表示の画面コピー。意外と低いパリパリゴロゴロした排気音です。コンペテイションやF1と比べてですが。
基本的に、ある瞬間を画像表示してみても、平均を扱ってみても、たいした情報にはなりません。そもそも平均を取るなどというのは、他に有効な手段が無い場合の逃げ道です。
このシステムが他システムと決定的にちがうのは、これ以降の音響成分をFFT表示(周波数成分による表示)ではなく、ACF(自己相関関数)による表示に置き換えて計算(数学的には同値)する点です。その結果、FFTでは分析できない、音響の音量やピッチ、ピッチの強さや響きなどの時間推移を分析することができるのです。
測定開始から終了までのランニングACF計測の画面上のグラフはACF自己相関の3次元時間表示です。下のグラフは入力信号の振幅の時間表示です。ここでは音量を表します。下の画面では入力データの編集、カットやREPLAY等ができます。音響信号の計測時間内の全データを分析するためのデータをここで計測し保存します。RAA(リアルタイム アナライザー ACF)を使うのはここまでです。
その後、SA(音響分析システム)でそのデータを分析し、自己相関の重要なファクター、音響の残響時間に値する、τeつまり正規化自己相関関数の有効持続時間、τ1ピッチ(基本周波数)、φ1ピッチの強さ、τ2--(基本周波数を構成する周波数成分など)の計測時間による推移をグラフ表示させます。これらにより音響の時間成分の分析が行うことができるのです。
RAでセーブしたデータをSAで指定して読み込みます。
DSSF3のRAにたいして分析を行うSA(音響分析システム)にデータを読み込み、以下の計算条件で計算を行います。
SAでの分析画面です。この画面はΦ(0) 音量の計測区間の時間推移の表示です。
SAで、右上のスクリーンコピーのボタンをクリックするとこのダイアログが表示されます。これは、複数のグラフや画面をひとつの画像としてワンクリックで、セーブするためのものです。これは報告書作成や、論文やプレゼンテーション作成に便利な機能です。
これが分析結果のグラフを組み合わせた画像です。
Φ(0) 音量 τe 自己相関の持続時間 τ1 ピッチ φ1 ピッチの強さのグラフです。横軸は経過時間です。積分時間2秒ですから、10秒測定して分析は8秒です。これで、F40の0.1秒単位のピッチ基本周波数τ1、ピッチの強さφ1、ACFの有効持続時間正規化ACFが0.1まで下がるまでの、有効持続時間τe、そして、音量Φ(0)が求まりました。
他の車種のデータと比較して考察していくために、レース仕様のF40やFERRARI F1のデータも同様に求めます。なお今回の計測と分析は(最後のスクリーンコピー機能等を除いて)RADやRAEでも可能です。
【参考】F40スペック
Engine: | Longitudinal, mid-mounted 90° V8, light alloy cylinder block and head |
Bore & Stroke: | 82 x 69.5 mm |
Unitary and Total Displacement: | 367/2,936 cc |
Compression Ratio: | 7.8:1 |
Max. Power Output: | 478 bhp at 7,000 rpm; 163 bhp/litre |
Timing Gear: | 4 valves per cylinder, twin overhead camshaft per cylinder bank |
Fuel Feed: | 2 IHI turbos with heat exchanger, Weber-Marelli electronic injection |
Ignition: | Weber-Marelli IAW electronic |
Transmission: | Dry twin-plate clutch, 5-speed gearbox + reverse, ZF limited-slip differential |
Chassis: | Tubular steel and composites |
Front Suspension: | Independent, double wishbones, coil springs, co-axial Koni dampers, anti-roll bars |
Rear Suspension: | Independent, double wishbones, coil springs, co-axial Koni dampers, anti-roll bars |
Brakes: | Ventilated discs |
Steering: | Rack and pinion |
Cooling System: | 1 front radiator |
Length: | 4430 mm |
Width: | 1980 mm |
Height: | 1130 mm |
Wheelbase and Front/ Rear Track: | 2,450/1,594/1,610 mm |
Dry Weight: | 1,100 kg |
Front Tyres: | 245-40 ZR 17 |
Rear Tyres: | 335-35 ZR 17 |
Fuel Tank: | 120 litres |
Top Speed: | 324 km/h |
February 2002 by M.Sakurai