「SYSTEM-N」ダンボール工場生産管理システム
生産スケジューラーの最初歩
【 目 次 】
従来システムの処理
従来システムの問題点
高度なスケジューラーにより問題を解決
自動処理
ダイナミックスケジューラーとの組み合わせ
NC実績管理システムとの組み合わせ
拡張性
- 従来のシステムは、簡単なものは人が出力された製造リストを参照しつつ、その一つ一つについて、
製造かまたは製造の必要があるかどうかを判断し、生産数量、材質、取数、紙巾などを修正しながら製造順にオーダーナンバーを打ち直すことが必要で、
大変な苦労を伴う作業でした。
かなり進んだシステムでもたくさんの制約事項や、納期や次の工程との連携、原紙の手配状況、工程負荷をトータルに別に考えなくてはならず、
やはり充分とはいえませんでした。
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従来のシステムは、要領がよく、生産管理のための必要最低限の機能を追加したのですが、
追加分だけ余分に入力の手間がかかり、その価値があるかといえば、そうともいえなかったのです。
そのわけは、そのシステムが使用される現場は実際には時間に追われる環境で、コン
ピューター化されていても現場の負荷は低くはありませんでした。また、時間の面では、計画作成に時間がかかるために早い時間に受注を締め切らなければならず、早く
閉めるために計画中にも急ぎの生産の受注が入ってきて、さらに生産データの追加や計画の修正が必要となります。そして製造リストの再出力→再計画の悪循環にはまり、また時間を割かれてしまいます。そのため各部門の間で摩擦が生じ、時間がかかればかかるほど問い合わせは増えていき、さらに、時間のかかる作業がますます時間がかかってしまいます。
このように時間をかけて生産計画を作成しても、この計画に基づいてダンボールを生産するためには、コルゲータにデータを入力したり、原紙替えロットスケジュールを原紙係に伝えたり、他の工程に製造指図書を回したりしなければならず、まだまだ時間がかかります。
問題点を箇条書きにすると。
- 手作業による生産計画 → @時間がかかる。A製造責任者でなけれなばできない
- 午後4〜5時から計画立案にとりかかる → それまでに受注を締め切らなければならない
- すべてが人の判断による
- オーダーナンバーの修正
- 事務所・製造部門の両方が待機 → 時間のロス
- 製造機械に完璧な計画とFDが必要 etc
これらの問題を見ると、無駄が多く、残業が増え、問い合わせや変更などで他の部門の効率を下げる、など生産コストを増やす要因が多く存在します。
また、時間がかかる工程があると、そのスピードに全工程が影響を受けます。即ち、これまでの段ボール製造においては人間による生産計画の作成工程がクリティカルパスとなっていました。
生産計画の作成をはじめ、生産管理に係わる業務は多岐にわたり、その量も膨大です。理想的な生産管理を行うためには社内に生産管理部門を設置し、1カ所で集中管理すべきであると考えます。製造現場に多くの人を投入しても、生産量は上げられるが生産効率を上げることはできません。生産管理部門に最新鋭のコンピュータと最高品質の生産管理システムを装備しない限り、生産効率を上げることは不可能です。
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スケジューラーがないと製造現場に多くの人を投入しても、生産効率は上がりません。
生産効率を上げるために、生産管理部門に最新鋭のコンピュータと質の高い生産管理
システムの装備が必要です。
スケジューラーを利用すると、1人で10分ほどで自動的にコルゲータの生産計画が立てられます。
従って受注の締切をギリギリまで遅らせ、当日計画分の受注データを確定することができます。
しかも、スケジューラーの持つ自動補正機能によってその日の受注データのほぼ100%を生産計画に組み込むことができます。
- 当日計画分の受注を締め切り、この受注データに工程ファイル(マシンマスタ)や各
種制御マスタのデータを反映させ、製造用の詳細仕様ファイルを作成し、これをサー
バーに保管します。スケジューラーが装備されたクライアント機にこの詳細仕様ファ
イルを読み込み、スケジューラーによって自動的に生産計画が作成されますが、必要
に応じて結果を確認し、マニュアル修正することもできます。さらにオンラインCNCマネージャー(オプション)を使えば、コルゲータや製函印刷機のNCマシンに対
して、作成した生産計画データをオンラインで転送することができます。
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コルゲーターの貼合計画の処理概要
- フルート優先(フルート替えを最少とする方式)
- 紙巾優先(原紙替えを最少とする方式)
2つの方式のうちいずれの方式を採用しても、スケジューラではまず表紙、裏紙、
芯、中紙の各原紙がつながるように製造データベースを並べ替えます。それでも原紙
の流れ方向の長さの合計がコルゲータで生産できるロット長に満たない場合、次のよ
うな補正をおこないます。
- 計画数の変更
- 紙巾の変更(巾上げ)
- 材質の変更(格上げ)
- 取数の変更(巾下げ)
スケジューラーでは、これらの補正を組み合わせ、全体的な原紙のロスが最も少なく
なるように合理的な生産計画を自動的に作成します。また補正をおこなう際に、原紙のつながったグループが最低ロット長を満足している場合でも、その中の一部の材質
や紙巾を変更してもグループの最低ロット長が依然として確保されます。しかも他の
ロット長不足のデータが救済される場合に考慮に入れたり、特殊な紙質を使用する製
造ロットを集合させることもできます。
もちろん、材質変更の可否など取引先ごとの制約や、上げ巾や取数の上限など製造機
械の制約も反映させることができます。
製函印刷機のための製函印刷計画の処理概要
一般に製函印刷工程は、その材料となるシートの貼合工程の生産計画に左右されやすく、製函工程の効率化は困難な面が多かったと思われます。
■インク換えを最低限にしてロス(インク等の原材料ロス・瓶の洗浄作業とそれに要
する作業時間等)を減らします。
そのために使用するインクを色の薄いものから濃いものへ交換するように計画を作成
したり、同系色は同じ瓶を極力使用します。
■製函工程でのシート等の材料の完成時間を考慮し、工場内に半製品シートが滞留し
ないようにします。
貼合工程での製造終了時間を考慮してインク換えを最低限にします。
また、作成した製函計画の製造開始予定日・時間、製造終了予定日・時間を表示しま
すのでそれをもとに、出荷計画を立てることガできます。
■集荷納入日・時間を考慮した計画の作成が可能です。納期遅れを防ぐばかりでは無
く、完成した製品を工場内に長時間滞留することも防げます。
出荷配送計画の処理概要
これまで出荷配送は製造工程でのできあがりに左右されやすいため、製造工程の進捗
状況を確認しながら時間に追われて作業するため、計画的にできず必ずしも効率的と
は言えませんでした。
それを解決するため、出荷配送計画は
- 納入先のロケーションや納入時刻
- 納入先のトラックや運転手の限定条件
- トラックの最大積載量
- 製品の完成予定時間
- 過去の配送実績(知識ベース)
から、配送ルートの所要時間を割り出し、厳密にタイムテーブルを管理し、1台のトラックに対する積載量と1日当たりの配送回数を適正化することにより、
不要なトラックを削減し、運送費を節約します。
- 日程計画を、工程負荷を考慮に入れて納期厳守で自動決定します。工程の生産能力を越える場合は、日程の変更や代替工程への変更を行います。また、受注状況・実績
状況をリアルタイムにモニタリングできる機能を持っています。
それによって受注票も入力を行ってからは生産計画を生産機器への製造指示までの一
連の業務をスケジューラーが行うことができます。
- NC実績管理システム(オプション)とスケジューラーを組み合わせて使用すること
で、製造実績の把握、製造指示への反映などの発展が実現します。
実績情報をダイナミックスケジューラーを通して反映することで、受注の製造実績
(工程の製造実績日・時間等)を把握することができます。テイーチングデータなど
も(例えば、ゲートの隙間サイズや印刷時のプレス隙間のサイズ等)をスケジュー
ラーで作成する指示データに反映することが可能になります。
- 導入される企業ごとに、得意先との取り決めや製造設備の違う場合があります。
標準的に備えている各種の登録機能や、そのカスタマイズによって対応が容易です。
例えば
- 重量変更の禁止や巾上げ禁止などの登録機能
- 材質変更の可否および複数の代替材質候補の登録機能
- トリム巾の制限値の登録
- NCデータ用フロッピィディスクの作成
- カンバンの出力
- 製造実績データの収集
- 工程のリアルタイムモニタリング
- トレイやスタッカーへの対応etc
貴社へのスケジューラーの導入効果をさらに詳しくご検討いただくため、お気軽にお問い合わせください。