RA(リアルタイムアナライザー)を使うにはパソコンに内蔵されている機能や装置だけでは不足することがあります。このページでは、どんな機材が必要になるのかをお伝えします。
パソコンはカードを差したり、拡張ボード、周辺装置などで拡張していくことができます。ここで話題にするのは「サウンドボード」あるいは「サウンド回路」です。たいていのメーカー製パソコンには標準装備されています。あなたがお使いのパソコンにも「マイク入力端子」と「ヘッドホン端子」はあるでしょう。一般に、ノートパソコンであれば側面か背面、デスクトップパソコンであれば背面パネルにあるはずです。パソコンに外部装置をまちがって接続すると故障する恐れもありますから、よくわからないときは取扱説明書で確かめてください。
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SONY VAIO505の場合。 |
【参考】パソコン内部の機能構成図
リアルタイムアナライザにはつぎのような機能があります。
「シグナルジェネレータ」は信号(音)を出す機能ですから「出力」が必要です。具体的にはスピーカーから音を出すとか、外部のアンプに対して出力するわけです。
次に、「FFTアナライザ」、「オシロスコープ」、「ACF測定」はマイクや外部入力から受け取ったデータをリアルタイムに表示するものですから「入力」が必要。
ここで理解していただきたいのは「入力」が必要な機能を使うならば入力装置が必要になりますし「出力」が必要な機能を使うには出力装置が必要だということです。それらの装置がパソコンに内蔵されていて、それで性能に不足がないのであれば問題ありませんが、そうでないならば、他に機材が必要になり、それを正しくパソコンと接続しなければなりません。
トーンやスイープ信号をパソコン内蔵スピーカーで聞くだけであれば、他になにも必要ありません。しかし、以下のような場合はそれぞれ必要なものが出てきます。
▼外部スピーカーを鳴らす
・アンプとスピーカー、あるいはアンプ内蔵スピーカー
・パソコンのLine Out端子(又はヘッドホン端子)とアンプの入力端子をつなぐケーブル
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パソコンの「Line Out端子」がステレオ・ピンジャックで、アンプ側の入力端子がRCAタイプであれば、このようなケーブルが必要になります。 アンプ内蔵スピーカーの場合はピンジャックのこともあるので、そのときは両端ともステレオ・ピンジャックのケーブルを用意してください。 |
▼アンプにつなぐ
アンプの特性を調べるために、試験信号を入力する場合です。
·アンプ
·パソコンのLineOut端子とアンプの入力端子をつなぐケーブル
ここで使用するケーブルも上記と同様です。
パソコンに内蔵されているマイクでも、FFTアナライザやオシロスコープを使うことはできます。例えば小学生に音の波形を見せて、音について教えるにはそれでも事足りるでしょう。しかし、ある程度精密な測定をする時には、外部マイクとマイクアンプが必要になります。
プロが測定に使用するマイクはアコー製で数十万円からしますが、そこまでは必要ない場合、SONYのECM(コンデンサマイク)シリーズの1~2万円のものでよいと思います。また、厳密なステレオ測定でなければ、ワンポイントステレオマイクも便利です。
パソコンの「マイク入力端子」として内蔵されているマイクアンプは性能がよくないことが多いので、外部のマイクアンプを通して、パソコンの「Line In端子」につなぐのが理想です。マイクアンプとして使えるのが、ポータブルDATプレイヤーやマイクミキサーなどです。(ポータブルタイプであれば屋外に持ち出すことができます)
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乾電池で動作するマイクミキサーです。横幅16cmほどのコンパクトなもの。これもマイクアンプとして使えます。 |
そのマイクミキサーの背面パネルです。
向かって右側のマイク入力端子にマイクを1本(あるいは2本)つなぎ、左側のLINE OUT端子とパソコンのLINE IN端子をつなぎます。それにも先ほどと同じケーブルを使います。
▼デジタルビデオ入力
16bitデジタル録音できるビデオカメラであれば、測定対象(の音)を録画してきて、あとからパソコンにつないで様々な計測、分析を行なうことができます。
「インパルス応答測定」は、試験信号(M系列信号)を出力しながら、同時にマイクで入力します。つまり「入出力」が必要となります。この「インパルス応答」がもっとも高度な測定で、サウンド機能が入出力同時に動作する必要があるなど一定以上の性能が要求されます。インパルス応答測定には、デュプレックス(全二重)タイプのカードをお使い下さい。
デュプレックスタイプのサウンドカードは、インパルス応答測定以外にも、ピンクノイズをアンプ、スピーカに出力しながら、同時にマイクでその信号を拾って1/3オクターブ画面をモニタする、といった使い方も考えられます。