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1オクターブ分析器から、1/3オクターブ分析器の値を求めることはできませんが、1/3オクターブ分析器から1オクターブは簡単にできます。届出に「1オクターブ分析器でよい」とされていても、1/3オクターブ分析器が必須です。
図1: SG(Signal Generator) より信号を出します。
図2: ピークレベルモニター(メイン画面)の画像です。
図3: 1/3オクターブ分析します。
図4: 同ズームしています。
図5: 同じデータを1オクターブ分析した結果です。1オクターブ分析のピーク周波数は中心周波数250Hzです。図4の1/3オクターブ分析のピークの中心周波数は同じデータでも100Hz帯です。また1/3オクターブ分析では250Hzなどは-60dBといった無い周波数帯域です。これは1オクターブバンドの分析がいかにおおまかであるかの例です。これをみても、騒音、振動分析、遮音性能などは、ある帯域に効果があるかどうか判定するには最低でも1/3オクターブ分析したほうがよく、たとえオクターブ分析の値が届け出や、法令で求められてるとしても、測定事態は1/3オクターブを使用するべきです。オクターブ分析値は1/3オクターブを駆使して、分析や遮音などの成果を上げてから計算すればいいでしょう。
1/3オクターブ分析とは、1オクターブを3つに分けた分析ですから、前後の2つを足して、3つの合計を求めれば1オクターブ分析になります。
図6: dBの値は算術加算ではなく、2つづつ加算を行います。
これは、計算が特殊な場合です。0dBは、パソコンのデジタルの最大値32767(デジタルボリューム)を0として、以下マイナス表示です。言い換えるとパソコンの扱える最大音圧を0dBとしての表示です。また、3dBの差はパワー比2倍、10dBは10倍、20dBは100倍、30dBは1000倍、40dBは10000倍、50dBは100000倍のパワー比です。
この場合、1オクターブ分析の250Hz帯は、図5から読むと-27.5dBです。1/3オクターブ分析では、200Hz帯は-30dB、250Hz帯は-69dB、315Hz帯は-31dBですから、200Hz帯に比較して250Hz帯は-39dBも小さいのでパワー上無視して計算しません。そのため、合計しても-30dBのままです。それに比べて315Hz帯は200Hz帯に比べて1dB差(低い値)ですから、図6の加算表に従い、差が1dBの値を読むと2.5dBですから、大きいほうの値-30dBに2.5dBを加えて、-27.5dBが計算結果です。2つ足してパワー比が倍まではいかないくらいです。
July 2003 by Masatsugu Sakurai