| Japanese | English |

モーター性能の測定2
(モーター回転数の計測4)

モーターを定格電圧で、無負荷運転させてその雑音の中から、モーターも回転数や、モーターの汚れなどの情報を得てきました。それらは、無負荷最大回転数で、一定動作させての測定でしたが、今回は0Vからたち上げて、そのときの動作音からモーターの(動的な)ダイナミックな特性を測定します。DSSF3は1/100秒の積分時間と、ランニングステップも同じく5/1000秒で、計算可能です。今回の測定実験では、DSSF3のランニングACF測定機能を使用します。

DC12Vのスロットレーシング用モーター(マブチモーターFC-130S)の回転数と回転音を測定してみました。ラジコン用のモーターなどにも応用できます。

 
計測日時 2002年9月7日 11:12
計測場所 東京都渋谷区代々木の自宅マンション内
マイク SONY ECM-MS957
パソコン DELL INSPIRON 5000e
OS Windows 2000 Professional
再生ソフト Windows Media Player
測定分析ソフト DSSF3 英語版

安定化電源と、12.28ボルト

今回は、多くのデータを計測するために、実験をデジタルビデオに収めて、その音声データから測定分析を行いました。

RAのファイル管理メニュー

R601のデータが選択されています。

12.28ボルトで、一定動作させて、ランニングACF測定を行いました。

測定時間は3秒です。リアルタイムにDVMotionのWAVEデータを分析するために、積分時間を0.2秒、ランニングステップを1秒にしています。人間の耳のA特性が指定してあります。RAに取り込むことに主体を置いています。あとで、RAやSAで、分析条件を細かくして再計算させればすむことです。

さっそく本来の積分時間0.01秒、ランニングステップ0.01秒タイムレンジ5msecにして再計算させました。

SAで呼び出します。

計算条件設定画面

今回はすべて積分時間0.01秒、ランニングステップ0.005秒で分析しました。

分析グラフ

時間がたつにつれて、最高回転数が若干上がっていきます。10msec秒の平均回転数ですが、基本周波数の2.2msecから計算すると27,272rpmです。このときのピッチの強さは0.7台です。

R6モーターのランニングACF測定

これは0.5秒間の分析です。12Vの安定化電源(12.28V)に接続し、急に回転させ、またすぐに外して停止させました。

SAによる分析

経過時間0.49秒のACFのグラフ、2.95msecが明確です。

経過時間0.555秒のACFのグラフ、2.49msecが明確です。

一定回転時の経過時間1.8秒のデータ 最高回転数2.2msecが明確です。

1秒間は1000msecですから、1000/2.2 *60(SEC)= 27,272RPM (回転/ 分)

モーターの立ち上がり時の、5msec単位のデータから基本周波数のはっきりしているデータを拾って MS Excel にまとめました。

  経過時間

sec

基本周波数

msec

回転数

rpm

φ(0) te

msec

φ
R603 0.475   0   41.8  
  0.480     -24.73 8.48  
  0.485 5.70 10526 -20.36 13.13 0.60
立ち上げ10msec 20,330rpm 0.490 2.95 20338 -14.68 4.28 0.55
  0.530 2.80 21428 -5.31 8.9 0.30
  0.545 2.50 23529 -4.59 10.79 0.40
70msec 24096rpm 0.555 2.49 24096 -4.05 8.67 0.55
  0.565 2.40   -3.68 11.34 0.75
0.1秒で26,000回転以上 0.585 2.30 26086 -2.38 11.58 0.80
  0.605 2.25 26666 -2.62 12.76 0.85
R601   2.24 26785      
    2.22 27027     0.80
最高回転数 10msec平均   2.20 27272     0.70


それによると、このモーターは10msecで、20,330RPMの回転に達し、70msecで、24,000RPMに達します。0.1秒で毎分26,000回転以上に達し、最高回転数は10msec平均で、27,272RPMで回ります。

アナログ波形に対するランニングACF分析での時間解析から、遅れ時間の最初のピークに着目し、音の瞬間エネルギー、ピッチと、ピッチの強さ、響きを計算します。今回は5/1000秒刻みの分析により、モーターのダイナミックな性能を音によって分析してみました。

September 2002 by Masatsugu Sakurai


Back Home Back