鹿児島県にある霧島国際音楽ホールに設置された音場シミュレーション室では、世界の有名音楽ホールの音を体験できる”音場疑似体験”、簡単な検査で最適な座席がわかる”プリファレンス検査”、様々なホールの舞台で演奏しているような音響効果を作り出す”演奏者支援システム”が利用可能です。
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「従来研究所の中でだけ可能とされてきた、 5次反射音までの音場シミュレーションを、一般の人にも聴かせようという試みです。
DECのVAXは非常に信頼度が高く、故障もありません。また最初の仕様に比べれば、
100倍以上の処理速度を実現しましたし、オープン化、Windowsを導入することによって、専門家でなくても簡単に使うことができるようになりました」
音場シミュレーション室では、世界の著名な音楽ホールの音響に関する情報がインプットされており、簡単な操作でそれらのホールの音場が再現され、いながらにしてそれらのホールでの音楽を楽しむことができます。また、このシステムは演奏家に対する支援にも役立っています。 |
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![]() | プリファレンス検査では、上演される楽曲のτe(信号に含まれる残響成分の長さ)に着目し、同じような長さのτeの検査曲を使用して音響ファクター(音量、残響時間、拡がり感)に対する聴者の好みを調べます。それぞれのファクターの最適値と共に、その人がどの要素に敏感で、どの要素には要求がうるさくはないということが、プリファレンスの関数として4つのファクターごとに求められます。
その人がその座席に座って、上演される楽曲を聴いた場合の音質面での適合度を計算するには、その座席の音響特性を測定しておく必要があります。 その座席が聴者の好みと完全に一致すると減点ゼロ、一致しない部分は、プリファレンス関数により得られるマイナスポイントを計算します。ひとつづつのファクターについての適合度を調べていき、4つのファクターの得点を足せば、総合プリファレンス値が求まります。 検査の結果は適合度によって色分けされた座席表として提示され、座席選びの参考にできます。 |